適切に選択された早期中心型肺癌にPDTを施行した場合, 予後は非常に良好であるが, 我々は早期に再発する症例, あるいは第二次癌が発生する症例を時として経験する. 早期中心型肺癌を持ち, PDTにて加療後長期間に経過観察を施行できた症例の経過観察中に採集された気管支上皮の生検標本を用いテロメラーゼ蛋白の免疫染色をin situで施行した. CRが持続する症例の生検標本ではテロメラーゼ蛋白は陰性であった. しかし, 再発あるいは近傍より第二次癌が発生した症例の生検標本には, H-E染色"正常"の気管支上皮に癌発生前にテロメラーゼ蛋白の陽性を認めた. PDT後にCRが得られても"テロメラーゼ蛋白陽性非腫瘍性気道上皮"が検出されれば, 新たなPDT後の予後不良因子になるかもしれない.