2005 年 27 巻 6 号 p. 475-478
気管支充填術(bronchial occlusion)は, 気管支鏡を用いて種々の充填材を気管支に詰めて気管支を閉塞し, その末梢からの気漏を止めて種々の病態を改善しようとする内視鏡的治療法である.対象となる病態は, 続発性難治性気胸, 肺瘻, 有瘻性膿胸, 諸臓器との気管支瘻などである.従来の充填材は吸収性素材が主体だったため, 気管支閉塞の確実性に難があったが, 固形シリコンを用いた気管支充填術の考案, シリコン製充填材EWSの開発はこの点で一歩前進したと言える.EWSを用いた気管支充填術の実際と成績, 今後の展望, 課題などにつき紹介する.