気管支学
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魚骨が原因と考えられ,アルゴンプラズマ凝固法による焼灼が有効であった気管支内ポリープの1例
藤原 篤司小林 哲浦和 昌史内藤 雅大高木 健裕蛯原 愛子小林 裕康島本 亮高尾 仁二田口 修
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2010 年 32 巻 4 号 p. 332-337

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抄録

背景.気管支異物は,特別な基礎疾患を有さない健康な成人における発症はまれである.治療は異物除去であるが,長期間放置されることで,肉芽形成や易出血性を来す可能性がある.症例.症例は48歳,男性.某年5月下旬夜より突然声が出にくくなり,当院救急外来受診.胸部CTにて右B^<10>入口部に,一部石灰化を伴った隆起性病変を認め,気管支鏡検査にて腫瘤を確認,良性ポリープが疑われた.抗生剤投与にて改善認めず,同年8月にargon plasma laser coagulationにて焼灼,摘除した.組織標本からは,魚骨が確認された.術後2日目に退院し,その後の経過として4か月後の胸部CT画像,気管支鏡検査では病変は,ほぼ消失していた.結論.魚骨が原因と考えられた気管支内ポリープに対し,軟性気管支鏡下ポリープ摘除,その後の止血などをargon plasma laser coagulationを用いることで安全に手技を施行することが可能であった.

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© 2010 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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