背景.異常気管支領域には気管支拡張や気管支炎の合併頻度が高いとされている.症例. 33歳,男性.右気胸の診断にて加療目的に当科転院となった.胸部CTで,右肺尖に肺嚢胞が多発しており,また右B^1転位気管支領域に限局して著明な気腫性変化を認めた.術中に肺尖の肺嚢胞より気漏を確認したが,気腫性変化の著明な右S^1を切除する方針とし,胸腔鏡補助下右S^1区域切除術を施行した.病理組織学的には,肺尖の気腫性肺嚢胞とともに小葉中心性肺気腫と遠位細葉性肺気腫が混在しており,喫煙による変化が強く疑われた.結論.異常気管支領域に特異な画像所見を呈し,その病理像が捉えられた症例であり,異常気管支領域の免疫防御機構の低下が示唆された.