2013 年 35 巻 6 号 p. 622-625
背景.円形無気肺は胸膜異常に伴い発症する特殊な無気肺である.症例. 56歳.男性.右気胸を指摘され当科を紹介受診した.胸部画像所見にて,右自然気胸,および右下葉に49mm大の腫瘤影がみられた.腫瘤影は気胸腔と接しており,気管支,血管の弧状陰影を伴っていた.気管支鏡検査を施行し, TBLBにて肺胞壁の線維化がみられ,円形無気肺に矛盾しない所見であった.結語.自然気胸に伴う円形無気肺は稀な病態であるが,気胸に伴う腫瘤影の鑑別疾患にあげるべきである.