2013 年 35 巻 6 号 p. 632-636
背景.検診にて発見され,経気管支肺生検にて診断しえた肺類上皮血管内皮腫の1例を報告する.症例. 44歳.男性.生来健康であったが, 2006年12月の胸部検診にて異常影を指摘され,当院を紹介受診.胸部CTにて両側全肺野に境界明瞭な多発結節影を認め,転移性肺腫瘍,肺類上皮血管内皮腫を疑い,気管支鏡検査を施行した.経気管支肺生検検体の組織,免疫染色(第VIII因子関連抗原, CD34)の結果から,肺類上皮血管内皮腫と診断した.結論.診断のため,外科的肺生検を要した症例報告が多いが,本例は経気管支肺生検にて診断しえた貴重な症例であり,今後同様に診断可能な症例が増えるものと思われる.