気管支学
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症例
気道異物により形成された気管支炎症性ポリープに対してマイクロ波腫瘍凝固療法を施行した1例
杉本 幸弘山本 高之中里 未央高山 昌紀
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2016 年 38 巻 2 号 p. 144-148

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抄録

背景.肺炎を契機に気道異物が誘因で発生した気管支炎症性ポリープ(BIP)を発見され,マイクロ波腫瘍凝固療法(MCT)を施行した1例を経験した.症例.65歳女性.2014年1月,近医にて肺炎の診断で入院となり,胸部CT検査で右下葉入口部にポリープ病変を認め,気管支鏡検査を実施された.右底幹入口部を閉塞するポリープ病変を認め,直視下生検にて炎症性ポリープと診断されたが,肺炎を繰り返す可能性があるためMCT目的で当科紹介となった.検査時,BIPより末梢側に気道異物を発見し摘除した.摘出標本の成分解析は中性脂肪が98%以上であった.結論.気道異物は98%以上が中性脂肪の食物残渣であり,誤嚥するも気づかずに放置されていたと考えられた.MCTはBIPに対しても安全で有効な治療法であると考えられた.

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© 2016 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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