気管支学
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症例
肺非結核性抗酸菌症に合併した難治性気胸に対しガイドシースキュレット法によるEWS充填術が有効であった1例
菅野 貴世史出村 芳樹田畑 未央山口 牧子奥野 雄大多田 利彦塩崎 晃平赤井 雅也
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2016 年 38 巻 6 号 p. 505-509

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抄録

背景.非結核性抗酸菌症の進行により気胸を発症した場合,難治性となることが多い.今回我々は肺非結核性抗酸菌症に合併した難治性気胸に対しガイドシースキュレット法によるEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)充填術が有効であった1例を経験した.症例.88歳女性.主訴は呼吸困難.6年前に胸部異常影を指摘され,精査にて肺非結核性抗酸菌症と診断の上,近医で経過観察とされていた.今回,呼吸困難にて近医受診し,胸部X線にて右気胸を指摘され,当院紹介となった.胸腔ドレーン留置による持続脱気療法では改善せず,入院第17病日に,誘導子先端にEWSを装着し,また,ガイドシースを用いてEWSを離脱するガイドシースキュレット法を用い,EWSを中葉支に充填した.気胸の改善が得られ,入院第22病日にドレーン抜去した.結語.ガイドシースキュレット法によるEWS充填術は,低侵襲で,施術時間も短く,確実に責任気管支の閉塞が得られ,非結核性抗酸菌症に合併した難治性気胸に有効と考えられた.

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© 2016 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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