気管支学
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症例
食道亜全摘術後に生じた胃管気管瘻に対し,有茎肋間筋弁による気管修復術が有効であった1例
高田 宗尚松本 勲田中 雄亮齋藤 大輔吉田 周平懸川 誠一田村 昌也竹村 博文
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2018 年 40 巻 5 号 p. 443-448

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抄録

背景.食道癌に対する食道亜全摘術後の胃管気管瘻(gastro-tracheal fistula:GTF)は稀な合併症であるが,発症すると致死的となる.症例.56歳,男性.食道胃接合部癌に対し食道亜全摘術を施行した.縫合不全から胃管壊死を生じ,第15病日にGTFを発症したため当科紹介となった.感染コントロールのために胃管の切除と筋弁を用いた気管の修復が必要と考え,手術を行った.激しい癒着を剝離し胃管を摘出すると気管瘻孔部が露出され,有茎肋間筋弁を用いて気管修復術を行った.術後の経過は良好で,第37病日に施行した気管支鏡検査にて瘻孔の閉鎖を確認した.結論.有茎肋間筋弁を用いた気管修復術はGTFに対する有用な選択肢になりうると考える.

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© 2018 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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