2019 年 41 巻 2 号 p. 149-153
背景.ダビガトランエテキシラートによる薬剤性肺障害として肺胞出血,好酸球性肺炎,遊走性肺炎の報告があるが,transbronchial lung biopsy(TBLB)を施行した報告は少ない.症例.73歳男性.発作性心房細動に対しダビガトランエテキシラートを開始され,その2か月後より労作時呼吸困難を認めたため当院を受診された.胸部X線,CTにて両肺野スリガラス影を認めた.気管支鏡検査を行ったところ,TBLBで肺胞隔壁の線維化とリンパ球浸潤を認め,ダビガトランエテキシラートによる薬剤性間質性肺炎が考えられた.ステロイドセミパルス療法を行い,速やかに呼吸状態および画像所見の改善を認めた.結語.ダビガトランエテキシラートによる薬剤性肺障害は多様な所見を認め,TBLBが診断に有用であった.