気管支学
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症例
気管支ステント放線菌感染による気管支大動脈瘻のため喀血死した縦隔型肺癌の1剖検例
山本 亜弥山崎 春香岩田 隆
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2019 年 41 巻 2 号 p. 164-169

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抄録

はじめに.気管支ステント留置部から放線菌感染を来し,気管支大動脈瘻による喀血で死亡した剖検例を経験したので報告する.症例.64歳男性.持続する咳嗽を主訴に受診し,CT検査で左肺門部腫瘤を指摘.気管支鏡検査で左主気管支の高度狭窄を伴う腫瘍を認め扁平上皮癌と診断.翌日左無気肺による呼吸不全を来したためカバー付き金属ステント(Ultraflex)を左主気管支に留置した.肺扁平上皮癌cT4N1M0 cStage IIIAとしてcarboplatin+S-1併用化学療法を開始.3コース施行した段階で発熱および嚥下困難を来した.胸部CT検査で食道気管支瘻を指摘され食道ステントを留置し症状は改善,以降S-1維持療法のみ施行.診断より5か月目に自宅で多量の喀血を来し救急搬送されたが来院時心肺停止状態であった.病理解剖では左主気管支ステント末梢側から気管支大動脈瘻を認め,同部位から放線菌が検出された.

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© 2019 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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