気管支学
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症例
経気管支肺クライオ生検で診断しえた孤発性リンパ脈管筋腫症の1例
増田 篤紀都竹 晃文加藤 智也佐々木 優依松野 里奈葛西 佑太朗田口 真由香土田 晃将馬場 康友浅野 文祐
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2021 年 43 巻 2 号 p. 156-162

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抄録

背景.リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)は,平滑筋様の腫瘍細胞(LAM細胞)が増殖し肺に多発性囊胞を形成する緩徐進行性疾患であるが,病理学的診断の方法を個々の症例に応じて選択する必要がある.症例.46歳女性.20歳代に気管支喘息と診断された.呼吸困難の増悪に対し当院へ精査依頼となった.胸部CTでは全肺野に8~12 mm大で境界明瞭な薄壁を有する多発囊胞を認め,LAMが疑われた.高度の閉塞性換気障害(1秒率は24.08%)のため,低侵襲で高感度な診断方法として経気管支肺クライオ生検(以下,クライオ生検)を選択した.結果.合併症なく施行でき,病理組織上,肺胞領域に小囊胞状の拡張した空隙,血管周囲に平滑筋様の紡錘形細胞が斑状に増殖する所見を認め,LAMと診断できた.結論.呼吸機能の低下したLAMを疑う症例でクライオ生検は有用な診断方法と考えられた.

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© 2021 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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