気管支学
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長期血液透析中にみられた気道の転移性石灰化症の 2 例
荒木 潤早田 宏伊藤 直美中野 正心
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1987 年 9 巻 3 号 p. 219-225

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抄録

血液透析中にみられた気道の転移性石灰化症の2例を報告する。症例1は46歳男性で, 発熱, 咳嗽にて受診した。胸部X線では, 両肺野にびまん性に微細顆粒状陰影がみられた。気管支鏡では, 喉頭, 気管および気管支壁に不規則に撒布する多数の白色の小結節がみられた。同部の生検組織では, 粘膜上皮下に石灰沈着がみられた。症例2は54歳男性で, 血痰を訴え受診した。胸部X線では, 舌区域に浸潤影がみられた。気管支鏡では, 左舌支からの出血を認め, 気管, 気管支に多数の白色小結節がみられたが, 喉頭にはみられなかった。小結節病変の生検組織像は, 症例1と同様であった。気道の転移性石灰化症の気管支鏡的観察は, 本報告例が最初のものであろうと思われた。転移性石灰化症の診断および経過観察において, 気管支鏡検査が有用な方法と考えた。

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© 1987 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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