ツルアジサイ(Hydrangea petiolaris)を緑化材料として利用するために発芽特性を明らかにした。室内実験によって,明条件下では,ツルアジサイの発芽適温は25 ℃~30 ℃であり,変温によって発芽が促進されることが示された。30/20 ℃で最も高い発芽率(100 %)を示した。20 ℃以下では2 %以下しか発芽しなかった。低温湿潤処理により,10 ℃の低温域でも69 %が発芽可能となった。乾燥5 ℃貯蔵により,1年間は発芽率を維持できた。温度条件,貯蔵条件に関わらず,発芽には光を必要とした。野外実験では,種子を11月から翌年の7月までに播種すると,8月中旬までに約60 %の出芽率を示した。播種により実生を育成する場合,乾燥5 ℃で貯蔵しておいた種子を4月下旬から5月上旬に覆土を施さずに播種するのが効率的である。