抄録
都市部においては緑化のための植栽基盤となる土壌の周囲はコンクリート製品によって取り囲まれ,アルカリ物質の付加で従来の酸性土壌からアルカリへの移行が植物の成長に影響を与えることが懸念される。本研究ではコンクリート隣接地において,現在の土壌アルカリ化の状況を把握することを目的とし,大阪府堺市周辺のコンクリート隣接地41地点,および大阪府近辺のコンクリートに隣接していない山地8地点でそれぞれ表層土を採取し,pHを測定した。堺市周辺41地点では山地と比較すると,軽度に土壌アルカリ化が見られたが,現状では植栽に際して大きな問題となる可能性は低いと判断された。