藤棚(パーゴラ)による駐車場の熱環境改善効果を定量的に評価するため,藤棚と実験用に設定した模擬藤棚を用い,各々の日陰とその直近の日向において,気温,地表面温度,日射量,風速及び駐車した車の車内・車体温度を測定した。日向に駐車した車のダッシュボードの温度が最高で70 ℃以上に達したのに対して,日陰のそれは気温より10 ℃高い程度に留まった。日向と日陰の地表面温度差は藤棚天蓋部の被覆率の影響を強く受けていた。藤棚による駐車場の熱環境改善効果は大きく,藤棚下に駐車することでアイドリングストップが促進されれば,それによる二酸化炭素排出抑制効果も大きいと推定された。