抄録
筆者らは,環境省が長野県に委託して実施した,北アルプス北部の後立山連峰爺ヶ岳および岩小屋沢岳周辺における「平成19年度自然環境保全基礎調査 生物多様性調査 種の多様性調査(長野県)」に参画した。ハイマツの枯損状況調査の結果,調査対象地では,ハイマツの枯損木が土壌,岩屑の流出によって生じた裸地部に隣接しているケースが多かった。これらの裸地部は,登山道沿いならびに崩壊地において見られた。また,裸地部およびハイマツ林内において温度を計測したところ,日中は裸地部の方がハイマツ林内に比べて温度が高かった。これらのことから,ハイマツに隣接する裸地部からの水分の蒸発促進が,ハイマツの枯損要因の一つとなっていることが推定された。