グリーンインフラの防災・減災機能を有する雨水貯留浸透基盤を,埼玉県戸田市の公園横の歩道下に設置した。この区域は,合流式下水道で整備されており,近年のゲリラ豪雨等によってしばしば冠水が発生する区域でもあった。この区域の歩道下に雨水貯留浸透基盤を整備し,雨水の貯留浸透による処理を試みた。基盤の設置による雨水貯留浸透効果を明らかにするため,地下水位の観測井を4地点に設置した。またこの観測井を含む7地点に水位計を設置し,2017年11月から2018年10月まで連続して地下水位を測定することで,下水管への雨水流出抑制効果量を観測した。結果として雨水貯留浸透基盤の設置によって,合流式下水道への雨水を年間で94.7%の流出抑制となり,最大で8.5mm/10分(51mm/h相当)の降雨量に対して抑制効果が認められた。