2024 年 50 巻 1 号 p. 147-150
本研究は,津波で倒壊した砂丘上の海岸林を対象にして,重機の走行などの人為攪乱がマツ類の天然更新に与える影響を明らかにすることを目的に実施した。盛土と植栽を実施していない場所を対象に,小型UAVによる空撮画像をもとに,マツ類の分布を比較したところ,重機の走行などの人為攪乱が大きい場所では,マツ類の植被率が低かった。一方,重機の走行がなく,倒木も残した場所では,津波から約10年後にはマツ類の植被率は50%を超えた。これらのことから,津波などの大規模攪乱後にマツ類の天然更新を期待する場合には,表土や稚樹などの残存植生を保全することが重要と考えられた。