本研究は自然太陽光下および日陰地で生育するコナラ, クヌギ, ケヤキ, ヤブツバキ, ヤマモモを材料として, 葉のクロロフィル含量の季節的変化と樹冠位置による違いを明らかにするために行った。クロロフィルの測定は葉のSPAD値 (ミドリ度) とクロロフィル抽出の方法で行った。その結果, SPAD値と葉面積当たりの全クロロフィル (chl a+b) 含量には正の相関がみられた。葉のSPAD値は葉の厚さ, 樹齢, 樹冠の位置によって影響された。chlα+bの季節的変化は各樹種でみられた。葉面積当たりのクロロフィル含量と光合成放射束密度 (PPFD) の関係は明らかでなかった。しかし, 陰地の低いPPFD下で生育するヤブツバキ, アラカシではクロロフィル含量は高くなった。第1および第2フラッシュのクロロフィル含量の季節変動パターンには違いがみられた。