日本緑化工学会誌
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湿生植物の生育に配慮した水域緑化に関する基礎的研究
生花苗沼湿原に自生する4植物種の生育環境
内田 泰三西村 さち子丸山 純孝荒瀬 輝夫
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1999 年 25 巻 4 号 p. 391-396

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抄録

湿生植物を用いた水域緑化が近年数多く試みられるようになってきた。本報では, 湿生植物の生育に配慮した水域緑化について検討することを目的に, その基礎的研究として生花苗沼湿原に自生するヨシ (Phragmites australis), フトイ (Scirpus tabernaemontani), マコモ (Zizanialatifolia), ガマ (Typha latifolia) の生育環境を主成分分析により解析した。その結果, マコモおよびフトイは, 土壌が無機質に富み水位変動が大きい立地に多く生育した。さらに, 両種は海水が流入する立地, 水深が深い立地にも生育した。ガマは, 土壌が有機質に富み水位変動が小さい立地に多く生育した。ヨシは, 土壌の性質や水位変動に規制されず幅広い立地に生育した。

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