日本緑化工学会誌
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表土移植工法により造成された皇居東御苑の雑木林土壌の理化学的性質の変化
高橋 輝昌生原 喜久雄峰松 浩彦
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2001 年 27 巻 2 号 p. 430-435

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抄録

皇居東御苑二の丸に雑木林を造成する際に, 森林土壌の表層部をできるだけ撹乱せずに造成緑地に移植する表土移植工法が採用された。二の丸雑木林に移植された表層土壌が, 造成後約10年間でどのように変化したのかを検討するために, 土壌の理化学的性質を二の丸雑木林と表土採取地の雑木林 (武蔵野林) で比較した。二の丸雑木林土壌は武蔵野林土壌と比べてpHが高く, 炭素および窒素濃度が低く, 交換性塩基濃度が高かった。これらの原因の一つとして造成地周囲からの粉塵の影響が考えられた。二の丸雑木林土壌の化学的性質の変化は植生や土壌生物の組成・数に影響を及ぼすと考えられ, さらに調査していく必要がある。

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