日本官能評価学会誌
Online ISSN : 2187-2546
Print ISSN : 1342-906X
ISSN-L : 1342-906X
ノート
対称的な位置にある刺激が見えの大きさに与える影響
梶谷 哲也
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2012 年 16 巻 1 号 p. 28-35

詳細

1.はじめに

同じ大きさのヒトが前後に並んだとき,手前のヒトとそのすぐ後ろのヒトの大きさが違って見えることはない.さらに,比較的奥の方にいるヒトの大きさも,やや小さく見えてはいるものの,その大きさは幾何光学に従う写真のようには小さくならない.これをヒトが違和感を感じない程度の大きさで対象を描画するためには,対象の撮影時に対象までの距離とその距離での物理的な大きさを把握し,それらの情報に基づいて対象の大きさをヒトの知覚・認知特性に従って再生する方法も考えられる(Kajitani,2003;梶谷,2005).多くの場合,それらの大きさが異なることが多いため,観察者は再生画像上の幾何光学的な対象の大きさと自分が知覚した対象の大きさとの差異に違和感を持つことになる.

以上のようにヒトの知覚特性が十分に反映されていない画像(例えば写真)には,三面図のように対象に関する正しい大きさの情報はほとんど無い.ところが,この歪んだ対象の大きさで描画された画像全体からは,500年前までは得ることのできなかった高い遠近感(臨場感)が得られ(図1),その生成方法が数学的に整理されたことから,現在でもCGにおける画像再生時の基礎理論としても採用されている(黒田,1996).

20世紀後半になるまでは,画像の描画は人間が行うことが前提となっていた.ところがコンピュータが実用化されてからは,これまでは画像を描画(再生)する方法として非現実的だと思われてきた高度で複雑な計算や様々な条件に従った判断を,画像再生時にリアルタイムに利用する事ができるようになった(Sutherland,1965).1975年になって,Regginiによってコンピュータの利用を前提とした画像再生法が提案された.この手法は大きさの恒常性が空間全体に均一に作用するとしたThouless(1932)の主張を透視投影図の再生時に取り入れた描画法である(Reggini,1975).この手法は当時としては画期的な試みであったものの,ヒトの知覚空間内で局所的に発生する対象の見えの大きさの変化には対応できていなかった.

これまでに,おなじ大きさの2つの球(それぞれ標準刺激と比較刺激とした)に関する見えの大きさの分析を行った結果,見えの大きさに対して視距離と角距離が独立に有意な影響(効果)を持つことを明らかにした(梶谷,2009).さらに,それらの測定結果から見えの大きさと幾何光学的な大きさの差の尺度であるひずみ率(式2)を求めて従属変数とし,説明変数(独立変数)を“視距離”および“角距離”として重回帰分析を行なった結果,見えの大きさの近似式を得ることができた.この結果から,視距離が大きくなると角距離(対象の重なりや近接)とは独立に大きさの恒常性が強く働く一方で,視点に対して比較刺激が標準刺激の右にあっても左にあっても角距離が大きくなる(対象の重なりが少なく,または無くなる)と,視距離とは独立に大きさの恒常性の働きが小さくなる傾向があることを明らかにした(梶谷,2011).

以下では,複数の対象の見えの大きさを推定することが可能な汎用的な見えの大きさの推定手法の確立を目的として,提示する対象の数を2つから3つへ増し,そのうちの2つの刺激を視点に対して対称的な位置に提示したときの,残り一つの見えの大きさを推定するために,対象が2つのときに見えの大きさに対して“視距離”と“角距離”が独立に与える効果を組み合わせて,その見えの大きさを推定する方法を提案する.

まず図2のような実験環境で,標準刺激に対する比較刺激1の見えの大きさを測定し,それぞれの測定点におけるひずみ率を求め,その値に対する視距離および角距離の効果を重回帰分析から明らかにする.次に,標準刺激と対称的な位置にそれと同じ刺激を付置して比較刺激1の見えの大きさを測定し,それぞれの測定点におけるひずみ率を求める.ここで,これまでに明らかにした見えの大きさに対する比較刺激1のひずみ率に対する視距離および角距離の効果は,刺激が複数となることで以下のように変化すると仮定する.

まず,刺激までの視距離の見えの大きさに与える効果は変わらない.その一方で,複数の刺激(標準刺激と比較刺激2)との角距離がその見えの大きさへ与える効果は,何らかの相互関係を持つと仮定し,それらの効果を規則的に組み合わせることで刺激の見えの大きさの推定が可能であるとする.なお,その具体的な相互関係は以下の実験結果に基づいて決定する.

以上のような仮定に従った推定式で,比較刺激1のひずみ率の推定が一定の精度で可能であれば,より複雑な刺激のひずみ率(見えの大きさ)を推定する場合であっても,最も基礎的な要因とそれらの効果を規則的に組み合わせることで,工学的に応用可能な精度でひずみ率を推定する手法を明らかにしたことになる.

図1

三次元の対象を二次元平面に写し取る方法の一例(単点透視投影法の基本原理)

平面へ投影する三次元対象を机の中央にある編み目の向こうに配置して,片目を固定した状態で机の上の編み目に対象の輪郭を写し取る.そのとき,写し取られた対象の大きさはカメラオブスキュラで得られる幾何光学的な対象の大きさに類似している.

図2

実験1,2の測定位置.破線は実験2で比較刺激2が提示される位置.

2.対称的な位置にある刺激から対象までの視距離と角距離が対象の見えの大きさに与える影響

複数の対象に対する比較刺激1の見えの大きさを推定する方法を提案することを目的として,図2のような測定環境で,標準刺激に対する比較刺激1の見えの大きさの測定を行う.

2-1.実験1:標準刺激に対する比較刺激1の見えの大きさ

目的:

図2のような実験環境で,標準刺激に対する比較刺激1の見えの大きさに対して,視距離と角距離が与える効果を明らかにする.

方法:

被験者から100cm,台から球の中心まで高さ22cmのところに,無彩色に塗装された直径5.6cmの球を置いて標準刺激とした.さらに,同じ大きさの比較刺激1を図2にある18点の測定点に試行ごとにランダムに配置して,それぞれの球の相対的な見えの大きさを測定した.なお,被験者は正常な視力を持つ21歳から23歳までの大学生7人であった.

手続き:

被験者は,標準刺激に対する比較刺激1の相対的な見えの大きさを移調法に従って測定した.この時,被験者は試行ごとにランダムに選択される18点全ての測定を2回繰り返し,その測定値の算術平均を測定値とした.

具体的には,以下のような手順で球の見えの大きさを測定した.まず,被験者は実空間内の2つの球の大きさを同時に観察し,それらの大きさの関係を記憶する.次に,図3(a)にある,移調刺激であるCG上,比較刺激1の見えの大きさに相当する右の円の大きさを,被験者自らが2つの球を観察して記憶した大きさと同等な関係になるまで十分な時間をかけて連続的に調整する.最後に,被験者によって調整された右側の円の大きさを見えの大きさの測定結果とした.なお,最初に提示される右側の円の大きさは,ランダムに標準刺激に相当する左側の円の大きさの1.5倍または0.5倍の大きさとした.

結果と考察:

測定点ごとに測定した比較刺激1の見えの大きさの平均値を求めたところ,図4のような結果を得た.この平均的な見えの大きさと幾何光学的な大きさを対応の無い母平均の差の検定法によって検定した結果,それらの値は有意に異なっていた(t=24.18,df=34,p<0.01).

ここで,それらの平均値(N=7)を従属変数として,視点から比較刺激1までの直線距離である視距離と,刺激どうしの水平方向の距離を視点に対して作る角度に変換した値である角距離を説明変数として重回帰分析を行った結果,以下のような重回帰式が得られた.

As=0.1946r-0.6608θ+89.4593   (1)

なお,Asは標準刺激の大きさを“100”としたときの各測定点における比較刺激1の見えの大きさ,rは視点から比較刺激1までの視距離(cm)である.また,θは視点に対して2つの球の水平距離を角度に変換した量である角距離(Deg.)である(図2).さらに,決定係数はR2=0.46であり,回帰の有意性に関して分散分析を用いて検定した結果,有意な結果を得た(F(2,17)=6.36,p<0.01).加えて,角距離に関する偏回帰係数も1%水準(t=-3.21,df=15,p<0.01)で有意であった.

刺激を無彩色の球に限定した場合,視点に対して2つの球が斜め後ろに並んだ(2つの球が接触する程度に近接し,なおかつ水平方向には半分程度重なって見える)ときに,見えの大きさが極大化する傾向がある(Kajitani,2003).今回の測定でも,視点に対して標準刺激の斜め後ろに並んで見える測定点No.5において,一部の被験者(7人中3人)に同様の傾向があった(図4).そのような測定結果を重回帰分析で分析した結果,視距離と見えの大きさとには有意な線形関係を見いだすことができず,見えの大きさに対する視距離の偏回帰係数も正の値をとったものと考えられる.一方,同様の測定でも視点の位置および被験者が異なる場合,同様な条件の測定点における測定結果は,その他の測定点の結果よりもややばらつく傾向はあるものの,上述したような極端な見えの大きさの変化は生じていなかった.その結果,見えの大きさに対する視距離の偏回帰係数は負の値となり,視距離に対して有意に減少傾向を持つ関係が見いだせたと考えられる(梶谷,2011).

この結果から画像の再生時に,視点に対する対象の見え方に相当する角距離を考慮する必要があることが分かった.そこで,以下のような手順で従属変数を見えの大きさから“ひずみ率”に変換し,説明変数(独立変数)を“視距離”および“角距離”として,重回帰分析を行なうことで,大きさの恒常性が視距離および角距離に対してどのように作用しているかを検討した.まず,各測定点における比較刺激1の見えの大きさに対する大きさの恒常性の効果を明らかにするために,見えの大きさをひずみ率に変換した.ここで,ひずみ率(Sr:Skew ratio)は式2のように,物理的な位置における見えの大きさと幾何光学的な大きさの差の量を,幾何光学的な大きさで割ったものである.従ってこの値は,見えの大きさが幾何光学的な大きさと同じであった場合は0になる.

Sri=(SiRi) / Ri   (2)

なお,Sriは各測定点iにおけるひずみ率.Siは各測定点における対象の見えの大きさ.Riは各測定点における対象の幾何光学的な大きさである.

次に,ひずみ率を従属変数,視距離と角距離を説明変数として重回帰分析を行った結果,式3のような重回帰式を得た.

Ap1(r, θ)=0.0131r-0.0064θ-1.2234   (3)

なお,rは視距離(cm)であり,θは角距離(Deg.)である.重回帰分析に用いた被験者数は7名(繰り返し2回で,決定係数はR2=0.88であった.加えて,回帰の有意性に関して分散分析を用いて検定した結果,有意な結果を得た(F(2,17)=53.81,p<0.01).また,視距離に関する偏回帰変数は1%水準で有意であった(t=9.86,df=15,p<0.01).角距離に関する偏回帰変数も1%水準で有意であった(t=-3.24,df=15,p<0.01).この重回帰式では,視距離の偏回帰係数が正の値であることから,視距離が大きくなるほど大きさの恒常性が強く働く.一方で,角距離の偏回帰係数が負の値を取ることから,角距離が大きくなるにつれて大きさの恒常性の働きが小さくなる.なお,測定点No.5における実測値と予測値の差がやや大きいものの,各測定点全体における実測値と予測値に有意な差は無かった(χ2=0.019,df=17,n. s.).以上で明らかとなった角距離と視距離が独立に見えの大きさに与える効果は,これまでの先行研究(梶谷,2009;梶谷,2011)の結果を支持する.

図3

実験1,2で比較刺激1の見えの大きさの測定に使用したCGソフトウェア

比較刺激1の大きさに相当する中央にある円の大きさを,被験者自らが2つ(または3つ)の球を観察して記憶した大きさと同等な関係になるまで,マウスのホイールでその大きさを変化させて十分な時間をかけて連続的に調整する.なお,(b)では中央の円のみの大きさが変化し,左右の円の大きさは変わることはない.

図4

各測定点での比較刺激の見えの大きさ

標準刺激の大きさを“100”としたときの各測定点における比較刺激1の見えの大きさと幾何光学的な大きさ.なお,見えの大きさと幾何光学的な大きさとは有意に異なっていた(t=24.18, df=34, p<0.01).

2-2.実験2:対称的な位置にある2つの刺激に対する比較刺激の見えの大きさ

実験1から,標準刺激に対する比較刺激1のひずみ率は,比較刺激1までの視距離と角距離から推定可能であることが分かった.

次に,図2の破線で示したように標準刺激と同じ刺激をそれと対称的な位置に付置し,これを比較刺激2として,実験1と同じ測定位置で改めて比較刺激1の見えの大きさを測定する.この結果から,対象の数が複数になった場合の見えの大きさ(ひずみ率)を推定する場合であっても,最も基本的な要因である視距離と角距離の効果を規則的に組み合わせることで,工学的に応用可能な精度でひずみ率を推定できるか否かを明らかにする.さらに以下の実験で,推定式を規則的に構成するために必要となる,複数の刺激と比較刺激1との角距離が見えの大きさへ与える効果の相互関係を定める.

目的:

実験1と同じ実験環境で,図2のように標準刺激と同じ刺激を比較刺激2として標準刺激と対称的な位置に付置して比較刺激1の見えの大きさを測定する.この測定結果からひずみ率を求め,実験1の測定実験から得られたひずみ率に対する視距離と角距離のひずみ率に与える効果を基にして,それらを独立に組み合わせた推定式(式4)で比較刺激1のひずみ率の近似が可能か否かを明らかにする.

方法:

被験者から100cm,台から球の中心まで高さ22cmのところに,無彩色に塗装された直径5.6cmの球を置き標準刺激とした.その対称的な位置にも標準刺激と同じ球を比較刺激2(破線)として配置した(図2).さらに,標準刺激と同じ大きさの比較刺激1を18点の測定点に試行ごとにランダムに配置して,それぞれの測定点における比較刺激1の相対的な見えの大きさを測定した.なお,被験者は正常な視力を持つ21歳から23歳までの大学生7人であった.

手続き:

被験者は,視点に対して向かって左の標準刺激に対する比較刺激1の相対的な見えの大きさを,実験1で用いた移調法を拡張して適用した拡張移調法(図3(b))に従って測定した.この時,被験者は試行ごとにランダムに選択される18点全ての測定を2回繰り返し,その測定値の算術平均を測定値とした.

具体的には,以下のような手順で比較刺激1の見えの大きさを測定した.まず,被験者は実空間内の3つの球の大きさを同時に観察し,それらの大きさの関係を記憶する.次に,図3(b)上の標準刺激の見えの大きさに相当する,もっとも左にある円の大きさを基準として,比較刺激1の見えの大きさに相当する中央の円の大きさを,被験者自らが3つの球を観察して記憶した大きさと同等な関係になるまで十分な時間をかけて連続的に調整する.最後に,被験者によって調整された中央の円の大きさを見えの大きさの測定結果とした.なお,最初に提示される中央の円の大きさは,ランダムに左の円の大きさの1.5倍または0.5倍の大きさとした.また,中央にある円以外の左右の円の大きさは固定した.

結果と考察:

各測定点における比較刺激1の見えの大きさの平均値から,そのひずみ率を求めた(図6に併記).これらの値を実験1において同一測定点で測定されたひずみ率と対応のある母平均の差の検定法により検定した結果,有意に異なる値であった(t=5.88,df=17,p<0.01).

そこで,各測定点における比較刺激1のひずみ率を推定するために,実験1で求めた見えの大きさに対する視距離および角距離の効果(式3)を基にして,比較刺激1までの視距離に対しては実験1と同様の大きさの恒常性が働き,同時にそれぞれの刺激から視線の方向にそって後方100cmに設定する仮想視点に対する角距離に従って,それらが独立に見えの大きさに効果を与えると仮定する(図5).ここで,各刺激からの角距離の従った効果の相互関係は式4のように,近接した刺激どうしの効果が最も強く働くとし,対象の見えの大きさへの効果は角距離の比例分配された値に反比例するとする.

  

なお,rは視点から各測定点までの視距離を表す.θ1およびθ2は各測定点における標準刺激および比較刺激2から後方100cmに設定する仮想視点からの角距離(図5)である.

この推定式(式4)を用いて各測定点のひずみ率を近似した結果,実際に測定されたひずみ率と有意な差の無い(χ2=0.019,df=17,n. s.)近似値を得ることができた(図6).

以上から,対象の数が複数になって,さまざまな効果を考慮して対象の見えの大きさを推定しなくてはならない場合でも,まず最も基本的な要因とそれらの効果を明らかにし,次に,それらを規則的に組みあわせることで工学的に応用可能な精度で,その大きさを推定できる可能性を見いだした.

図5

対称的な位置にある2つの刺激に対する比較刺激1の見えの大きさの推定

対象の数が複数になった場合でも,もっとも基本的な要因(視距離と角距離)の効果を規則的に組み合わせることでひずみ率を推定する.その推定要因として,視点から対象までの視距離:rと標準刺激との角距離:θ1,および比較刺激2の角距離:θ2を用いる(式4).

図6

各測定点におけるひずみ率と推定式による近似値

各測定点で測定されたひずみ率と式4を用いて推定したひずみ率をそれぞれ図示した.なお,各測定点におけるひずみ率とその推定値に有意な差は無かった

χ2=0.019,df=17,P>=0.05).

3.まとめと今後の課題

本報告では視点に対して複数の刺激があった場合,最も基本的な要因(本報告では,視距離と角距離)とそれらの効果を明らかにし,次にそれらを独立に組み合わせることによって,それぞれの刺激の見えの大きさを工学的に応用可能な精度で推定することができることを,以下のような実験的検討から明らかにした.

まず,実験1として,標準刺激に対する比較刺激1の見えの大きさを測定し,それぞれの測定点におけるひずみ率(式2)を求め,その値に対する視距離および角距離の効果を重回帰分析から明らかにした(式3).さらに実験2として,図2にあるように実験1と同じ測定環境の対称的な位置(破線)に標準刺激と同じ刺激を付置して比較刺激2とし,比較刺激1の見えの大きさを測定して,それぞれの測定点におけるひずみ率を求めた.その結果,実験1と2の測定結果は有意に異なっていた.ここで,実験1で明らかにしたひずみ率に対する視距離と角距離の効果に,角距離の相互作用の効果がそれらの比例配分値に反比例するという条件を加えて式4とし,実験2で測定した比較刺激1の見えの大きさから求めたひずみ率を推定した結果,実際に測定されたひずみ率とは有意な差の無い近似が可能であることを明らかにした.

以上から,対象の数が増加してより複雑な条件の下でそれらの見えの大きさを推定する必要がある場合であっても,まず最も基本的な要因とそれらの効果を明らかにし,次にそれらを規則的に組みあわせることで,工学的に応用可能な精度でひずみ率を推定できることが明らかとなった.

ただし,そのような推定が可能なことが明らかになっているのは比較刺激2が標準刺激に対して対称的な位置にある場合のみである.今後,比較刺激2を異なる条件で提示するなどの実験的検討を行うことで,さらに一般的な近似方式を提案し,より高い臨場感を持つ画像再生法を確立する必要がある(URCF,2010).

引用文献
 
© 2012 日本官能評価学会
feedback
Top