本研究は,実際の中学校技術科教育における安全管理と安全指導に着目し,「教室環境」および「施設・設備」等に関する現状と課題について検討することを目的にしている。ここでは,愛知県内の中学校から無作為に抽出した100校を対象として,技術科教育における安全管理と安全指導に関する状況把握調査を行った。その結果,授業者自身が授業中に危険ととらえる作業や場所は,「道具・工具(27件)」が最も多く,「作業環境に関する内容(12件)」が2番目に多かった。また,生徒が取り扱うには危険だと思われる道具や機械に関しては,「電動機器(50件)」が最も多いことが分かった。一方,実際の授業の中で危険だと感じた場面は,「道具・工具(19件)」が最も多いことが分かった。