2017 年 59 巻 2 号 p. 71-78
本研究の目的は,中学校技術・家庭科技術分野「情報に関する技術」に係る中学生の技術ガバナンス能力の実態調査の結果を詳細に分析し,将来的な教育課程の改善に向けた方向性を検討することである。技術ガバナンス能力は,技術リテラシーの観点から技術の選択,管理運用,設計,評価の4つの能力とした。調査は,無作為に抽出した全国の中学校38校の3年生1,235名を対象に行った。その結果,選択能力や管理運用能力では、過半数を超える生徒が正答することができた。しかし,設計問題では問題を発見しそれを解決するアイディアを発想することのできない生徒が多かった。また,評価問題では、社会・安全に着目して評価する生徒が多かったが,評価観点に十分な広がりは見られなかった。これらの結果から,今後の教育課程においては,生徒の技術評価や設計能力を,選択や管理運用能力と関連付けて適切に育成していくことの必要性が示唆された。