2017 年 59 巻 2 号 p. 79-87
本研究の目的は,技術科授業の計画・実施に関連する専門的知識・実践的指導力や,授業の省察に関連する環境への課題意識の実態や構造を,技術科教員への調査に基づいて把握することである。予備調査から構成された計50の質問項目からなる調査票をもとに,全国の技術科教員に行った郵送調査により205の有効回答を得て分析・検討を行った。その結果,知識・指導力への課題意識に関わり「授業や教室の管理」,「学習指導・評価の計画と実践」などの5因子が特定できた。また,省察の環境への課題意識として,「他教員との情報交換」などの3因子が抽出された。技術科教員経験年数が5年未満の教員は専門的知識・技能の不足を感じ,経験年数が20年以上の技術科教員は生徒の個人差に応じた指導への課題意識を有していた。さらに,「他教員との情報交換」を支援する環境を構築することが,知識・指導力に関わる資質能力育成に貢献すると考えられた。