日本産業技術教育学会誌
Online ISSN : 2434-6101
中学校技術科「材料と加工に関する技術」の設計学習における生徒のレディネスとしての初期構想力の類型化
勝本 敦洋森山 潤上之園 哲也中原 久志
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2017 年 59 巻 3 号 p. 157-166

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抄録

本研究の目的は,中学校技術・家庭科技術分野の内容A「材料と加工に関する技術」の設計学習に対する生徒のレディネスとして,概念設計の初期段階でスケッチに表しながら製作品を構想する力(初期構想力)を把握し,類型化することである。材料加工学習履修前の中学校1年生98名を対象に,ものづくりに対する意識・経験の調査,及び初期構想スケッチ課題(CDラックの概念設計)を用いた調査を行い,課題の自己評価得点,教師評価得点を用いて,生徒の初期構想力のタイプをWard法によるクラスタ分析によって分類した。その結果,生徒の初期構想力は,①ものづくりの経験や意識が高く,初期構想時の思考や表現を論理的に構成できる「論理的構成型」,②思考は十分ではないものの,ものづくりの経験があるため,経験的にある程度のレベルで初期構想スケッチ図が作成できる「経験依存型」,③構想時の思考や表現が適切にできず,イメージのみが先行する「イメージ先行型」の3つのタイプに分類された。これらの各タイプの特徴に基づき,設計学習の初期段階における指導の手立てについて考察した。

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