2018 年 60 巻 2 号 p. 81-90
本研究の目的は,中学校技術・家庭技術分野の内容「A 材料と加工に関する技術」の設計学習における児童・生徒のレディネスを把握するために,概念設計の初期段階でスケッチに表しながら製作品を構想する力(以下,初期構想力)が学齢とともにどのように変容するか検討することである。小学校5 年生~中学校3 年生の計793 名を対象に,初期構想力を把握するための初期構想スケッチ課題による調査を行った。その結果,児童・生徒の初期構想力のタイプは,学齢に伴って「空想型」から「イメージ先行型」,「経験依存型」,「論理的構成型」へと推移していく様相が把握された。