本研究では,歴史的な視点から農業技術の生産性と環境および社会との関連について評価・理解できるすごろく型のゲーム教材を開発した。生徒は最初に栽培方法について,現代式と江戸時代式のどちらかを選択する。ゲームの駒を進める中で発生する事象に対し,現代と江戸時代の選択により,その結果に違いが生じる。この違いを踏まえていくことで,生徒らが歴史的視点から農業技術の生産性,環境・社会との関わりについて評価・理解ができることをねらいとした。本教材を用い,中学校1 年生52 名を対象に授業実践し,評価を行った。事後の質問紙およびワークシートの記述結果から,開発した教材は,生徒が歴史的な視点から農業技術の生産性,環境・社会との関わりについて評価・理解できる教材として有用であることが確認できた。