2018 年 60 巻 4 号 p. 225-233
ビッグデータ時代と言われる今日,問題解決のためにいかにデータを活用できるかが問われる時代となった。本研究では,生徒の問題解決能力育成を目的として,ビッグデータを視覚化できる地域経済分析システムRESAS を用いた授業を実践した。中学校で育まれた問題解決能力を高等学校でのビッグデータ活用を通して発展させ,それを産業社会へと繋げることを目指す。授業は,高等学校専門教科情報「情報と問題解決」において,2016年,2017年の2年間実践した。ARCSモデルに基づいたアンケート調査から,ARCSモデルの4つの分類の内の「注意」や「関連性」については課題があったが,逆に「自信」や「満足感」については高めることが可能であることが明らかになった。さらに,通常クラスとパソコン部との実践の比較から,ビッグデータへの興味・関心の度合いによって生徒を班分けして授業を行う方法を提案した。