ゴムボートにほぼ同出力の電動およびエンジン駆動の船外機を付け替えて両船外機の航行特性を比較することでエネルギー変換を学習する新しい課題研究を専門高校で実践し,その学習効果を評価した。実践は校内のプールで,船舶免許を要しない条件下で行った。まずボートを固定して両船外機の最大推力を測定し,いずれも約200Nであることを確認した。次に航行特性を測定した結果,時速約5.0kmから5.6kmの低速域では電動船外機はエンジン船外機の16%から30%のエネルギー消費量で同じ速度を発生させることがわかった。またアンケート調査では,学習が進むにつれて船外機の構造,原動機の制御,測定方法,分析方法などの項目で興味や知識が深まったが,エンジンの構造,エンジンの動作原理および電力消費量の測定方法については学習効果を明確にできなかった。