2019年に改訂された高等学校学習指導要領において,文部科学省は授業で取り扱うプログラミング言語を指定していないが,高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修教材においてPythonのプログラムを例示している。ただし,Pythonにはさまざまなプログラミング環境が存在するが,プログラミング言語と同様にプログラミング環境についても指定していない。そこで,本研究では,高等学校のプログラミング教育において,プログラミング環境の違いによって生じる教育効果の違いを比較することを目的とし,7つのクラスに対してそれぞれ異なるPythonのプログラミング環境を用いて同一の授業を行った。ARCS評価シート,事前・事後アンケート,確認テストの結果から,プログラミング環境のうちTextFile形式のものに良い結果が表れる傾向があり,特にJupyter Lab (TextFile)とSpyderが他のプログラミング環境と比較して高い教育効果が期待できることがわかった。