2018 年 1 巻 p. 31-39
小学校特別支援学級に在籍する,知的障害を含む様々な障害のある13名の児童に対し,自立活動の時間に位置付けたプログラミング教育の実践を行なった。障害のある子どもに対するプログラミングツールとして,Code A Pillar,Ozobot,Viscuitを用いた学習教材の開発と授業により,論理的思考力の獲得のみならず認知,学習,コミュニケーション能力などの発達の諸側面においてもその向上に寄与が見られた。また,プログラミング教育での学びを活かして,交流及び共同学習として通常学級の2年生児童に対し,障害のある児童たちがミニハカセとなり指導をする機会を設定した結果,自らの役割を認識し適切に遂行することができた。これらのエビデンスをふまえて,障害の特質や能力に応じた学習効果を高めるプログラミング教育のあり方について検討した。本研究から,プログラミング教育は,小学校特別支援学級に在籍する障害のある子どもたちにとっても有効な教育内容であることが確認された。今後の実践研究の広がりと深まりが期待される。