日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
ISSN-L : 0915-7441
原著
軽症・中等症血友病AおよびType1・Type2A von Willebrand病に対するデスモプレシン注4協和の使用成績調査
中目 暢彦池上 智子北山 慎二中山 恵美佐野 智之今川 成人向山 明道佐々木 裕康佐藤 宏
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 22 巻 4 号 p. 194-201

詳細
抄録

軽症・中等症血友病AおよびType1・Type2A von Willebrand病患者を対象に,デスモプレシン注4協和の市販後使用実態下における安全性と有効性を確認することを目的として,レトロスペクティブに国内使用成績調査を実施した.10年間の調査期間中に全国83施設より234例が本調査にエントリーされた.安全性解析対象症例212例中,副作用は66例(31.13%),139件に認められた.頻度順に顔面潮紅39件(18.40%)が最も高く,次いで熱感27件(12.74%),のぼせ(感)18件(8.49%),頭痛13件(6.13%),乏尿12件(5.66%),嘔気7件(3.30%),口渇7件(3.30%)等であった.その他,痙攣が2件に認められた.そのうち1件は,輸液療法が適切に行われていれば痙攣発作に至らなかった可能性があり,本剤投与前後の輸液療法及び飲水摂取に十分注意する必要があると考えられた.止血効果(有効率)は,血友病Aの軽症で65.22%,中等症で62.50%であった.また,von Willebrand病のType1で93.10%,Type2Aで94.74%であった.凝血学的検査改善度(改善率)は,血友病Aで76.47%,von Willebrand病のType1で85.71%,Type2で100%であった.

著者関連情報
© 2011 日本血栓止血学会
前の記事 次の記事
feedback
Top