抄録
①von Willebrand因子(VWF)は,pH変化を感受することで,マルチマー形成,Weibel-Palade体への集積と分泌過程を制御することが明らかとなった.
②VWFのA2ドメインの立体構造が解明され,ずり応力を感受してダイナミックにunfoldingし,ADAMTS13の切断部位を露出するよう設計されていることが明らかとなった.
③VWFのA1ドメインとGPIbαとの相互作用は,2段階の結合様式を持つことが明らかとなった.
④VWFのA1ドメイン隣接のO結合糖鎖はGPIbとの相互作用を調節し,A2ドメインのN結合糖鎖はADAMTS13感受性に関与することが示唆された.