日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
ISSN-L : 0915-7441
凝固・線溶・血小板タンパク質の機能発現機構
pHとずり応力に感受性を持つ血漿タンパク質であるvon Willebrand因子の構造と機能
松井 太衛濵子 二治
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 24 巻 1 号 p. 68-75

詳細
抄録
①von Willebrand因子(VWF)は,pH変化を感受することで,マルチマー形成,Weibel-Palade体への集積と分泌過程を制御することが明らかとなった.
②VWFのA2ドメインの立体構造が解明され,ずり応力を感受してダイナミックにunfoldingし,ADAMTS13の切断部位を露出するよう設計されていることが明らかとなった.
③VWFのA1ドメインとGPIbαとの相互作用は,2段階の結合様式を持つことが明らかとなった.
④VWFのA1ドメイン隣接のO結合糖鎖はGPIbとの相互作用を調節し,A2ドメインのN結合糖鎖はADAMTS13感受性に関与することが示唆された.
著者関連情報
© 2013 日本血栓止血学会
前の記事 次の記事
feedback
Top