2019 年 30 巻 4 号 p. 596-602
要約:インテグリンは細胞の表面に発現する接着分子で,白血球では血管内皮との接着や炎症組織への遊走,血小板では凝集と血栓形成,またいくつかの腫瘍細胞では浸潤や転移に関与している.細胞が放出するエキソソームなどの細胞外小胞(extracellular vesicles)は,細胞間コミュニケーションの新たなプレーヤーとして注目されているが,その表面には機能的なインテグリンが存在する.本稿では最近明らかになりつつあるエキソソーム・インテグリンの機能と病態への関与について解説する.