日本血栓止血学会誌
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論説
医療経済の視点から血友病治療を考える
白幡 聡
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2021 年 32 巻 1 号 p. 55-63

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抄録

1カ月の請求額が1,000万円以上の高額レセプトの件数は2009年の155件から10年後の2018年には728件と5倍近く増加しているが,この間の最高額は2014年を除き,血友病とvon Willebrand病が占めている.凝固因子製剤を使用している血友病患者一人あたりの医療費は全国平均の80倍以上に達する.大規模自然災害の多発や新型コロナウイルス感染症の流行で益々日本経済が逼迫するなか,医療経済の視点から,定期補充療法について,その適応,必要なトラフ値,zero bleedingの必要性,スポーツ参加の許容範囲について再考するとともに,血液凝固因子製剤の価格と費用対効果について考察した.

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© 2021 日本血栓止血学会
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