日本血栓止血学会誌
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特集:血友病患者のQOL向上を目指して
関節超音波検査の役割
長尾 梓
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2024 年 35 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

血友病診療の新アプローチとして注目の関節超音波検査(musculoskeletal ultrasound: MSKUS)は,滑膜肥厚や出血,軟骨損傷の即時検出に貢献している.無症状の出血や滑膜炎が関節予後に影響すると仮定すると,簡易・リアルタイムな検出手段としてMSKUSは非常に価値がある.その評価には,スコアリングとpoint-of-careの2つのアプローチがあり,状況に応じて選択が重要である.具体的なスコアリング手法として,HEAD-USやJADEを解説する.診断を治療戦略へとつなげること,薬物療法の調整,リハビリテーションの導入,患者の生活スタイルや薬物動態を考慮することが必要である.しかし,課題として一般人との比較試験がないことや,出血と水腫の鑑別の困難さが挙げられる.技術の進歩として,ポケットエコーとAIの融合による新たな手法などが期待され,その組み合わせによって,今後の診断や治療における大きな変革が期待されている.

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© 2024 日本血栓止血学会
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