性成熟前の雌雄ラットを去勢し, 性ホルモンを投与し, 肝組織中のビタミンK濃度の変化を調べ, 性ホルモンがビタミンK濃度に与える影響を検討した. estrogen はビタミンK濃度を増加させ, testosterone は低下させた. 同量の estrogen 投与では, 雄去勢ラットの方がビタミンK濃度が雌より上昇し, ビタミンK濃度を上昇させることに関しては雄の方が estrogen に対する感受性が高いと考えられる (6週齢雌9.68ng/g: 雄12.54ng/g). ビタミンK欠乏食を摂取させると, 雌ラットの方が雄ラットに比較してビタミンK濃度の減少が顕著 (雌: 13.62→1.86ng/g, 雄: 3.97→2.47ng/g) で, 雄ラットの方がビタミンK濃度の維持力が強いことが判明した. 骨粗鬆症が女性に多いのは閉経後, 急激な estrogen の低下に加えて, ビタミンK濃度を維持する力が弱いことが誘因となっていることが考えられる.