日本輸血細胞治療学会誌
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Print ISSN : 1881-3011
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原著
新鮮凍結血漿の長期保存後の凝固因子活性
渕崎 晶弘森 純平岩間 輝柴 雅之内藤 祐林 宜亨秋野 光明松本 真実益子 毅小野寺 秀一金子 祐次榎本 圭介茶谷 真栗原 勝彦小池 敏靖寺田 あかね大橋 祥朗佐竹 正博田所 憲治
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2016 年 62 巻 4 号 p. 545-551

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抄録

新鮮凍結人血漿(FFP)のプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間,凝固第II,V,VIII(FVIII)因子活性は,血液製剤の使用指針に記載されているが,その他の凝固因子について報告はない.

そこで,成分由来FFP(FFP480)と全血由来FFP(FFP240)の品質評価を凍結前と凍結保存後(1~13カ月)に行った.

保存12カ月において,凍結前活性値を100とした相対値でFFP480,FFP240ともに90を下回った凝固因子はFVIIIのみであり,その他の凝固関連項目は凍結保存により活性値が安定していた.生物学的製剤基準における凝固試験の判定基準(PT 20 sec以下)は,すべてのFFPで満たした.トロンビン生成試験は,すべての評価項目において凍結前と比較して保存13カ月で変化率10%以内であった.O型FFPのFVIII及びVWF:RCoは,O型以外より有意に低値を示したが,トロンビン生成試験結果に有意な差は認められなかった.

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© 2016 日本輸血・細胞治療学会
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