日本輸血細胞治療学会誌
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活動報告
透析患者の自己血貯血における多職種チーム医療の必要性
―当院での事例検討―
小見山 貴代美辻 太一大田 恭太郎木村 有里松井 貴弘天野 竜彰中前 健二鏡味 良豊佐藤 友香
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2023 年 69 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

【はじめに】今回,脊椎固定術を計画した,透析患者に対し,多職種で協力し貯血式自己血輸血を行い安全に周術期管理ができた.

【対象及び方法】透析導入の50代男性.脊柱管除圧に加え脊柱再建術が必要で自己血貯血が選択された.

初回貯血時に主治医,自己血輸血責任医師,輸血責任医師,輸血検査室専任臨床検査技師,臨床工学技士,自己血看護師で手技を確認し実施した.

【結果】手術は矯正除圧固定術で出血量は515gであった.

術後ドレーンからの出血は490g.自己血返血は術後48時間以内に行った.

【考察】自己血貯血についてマニュアルがなく,本症例でマニュアル管理体制案を作成して輸血療法委員会に諮し貯血が承認された.

多職種の協働を促しチーム医療の推進により患者にとって最良の医療が選択されるよう協働することが望まれる.

【まとめ】血液透析患者であっても多職種で協力し実施管理体制を確立することで自己血貯血は可能であった.

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© 2023 日本輸血・細胞治療学会
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