抄録
溶融炭酸塩燃料電池の電解質として重要なLi2CO3-Na2CO3およびLi2CO3-K2CO3二成分系混合溶融塩の粘度を全組成範囲で測定した。低融点で高粘度の混合炭酸塩に対応するためにガス攪拌装置の導入と吊り線の交換によって精度の高い測定を実現した。等温粘度は両二成分系において下に凸の組成依存性を示した。粘度はLi2CO3において最も高く、Na2CO3あるいはK2CO3の増加と共に減少するが、高温では70∼80mol%で最小値を示す。この傾向はLi2CO3-K2CO3系で顕著である。活性化エネルギーはNa2CO3あるいはK2CO3の増加と共に単調に減少した。以上の結果と密度の挙動より、これらの二成分系は比較的単純な混合系であるが、混合による体積増加によって粘度の減少を示すものと考えた。溶融炭酸塩燃料電池の作動温度である923K付近の粘度は7∼9mPa·s程度である。