熱物性
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論文
タンパク質物質拡散現象における広域緩衝液の影響評価
小宮 敦樹円山 重直守谷 修一
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2010 年 24 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

これまでの位相シフト技術を改良利用した微小非定常拡散場高精度計測システムを開発し,タンパク質の物質拡散現象の高精度観察を行った.広域緩衝液のpH値をパラメータとした計測実験を行い,見かけの物質拡散係数を導出することで,広域緩衝液が拡散現象に及ぼす影響について定性的な評価を行った.本計測法では非定常拡散場を空間的に高解像度で可視化することができるため,拡散場の局所計測が可能となり,そこから併せて物質拡散係数の濃度依存性評価も試みた.タンパク質の拡散現象は緩衝液のpH値により大きく変化し,環境が酸に偏ると拡散速度が増加し,特に高濃度ではその傾向が顕著になることが定性的に評価された.また濃度依存性が緩衝液pH値の違いによって異なることも確かめられた.

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© 2010 日本熱物性学会
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