熱物性
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発汗歩行サーマルマネキンを用いた着衣の温熱的快適性評価
諸岡 晴美和田 猛中橋 美幸
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2015 年 27 巻 4 号 p. 157-163

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抄録

発汗および歩行機能をもつサーマルマネキンを用いて,着衣の温熱的快適性評価の有用性と課題を検討した.用いたマネキンは,汗腺に相当する141個の孔から皮膚表面に液体水を吐出することができる.マネキンの表面温分布をヒトの皮膚温分布に近似させて,立位時,歩行時,発汗時におけるヌードマネキンの表面熱抵抗を明らかにした.また,2種の異なる素材からなる防水ジャケット(レギュラー素材および透湿性素材),2種のTシャツ(綿およびポリエステル)を実験用衣服として,着衣の熱抵抗の特徴を明らかにした.しかし,マネキンの移動がないことによる歩行時の強制対流がないことが課題としてあげられた.温熱的快適性を評価するためには,熱抵抗と同時に,マネキン表面と衣服との間の局所気候(衣服内温度・湿度)を測定することが重要である.

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© 2015 日本熱物性学会
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