2023 年 37 巻 3 号 p. 82-92
熱電材料の性能指数の評価に必要な電気抵抗率,ゼーベック係数,熱拡散率を広い温度範囲で同時に測定する方法を提案し,測定結果の有効性について論じた.高温環境に適用可能な熱電対プローブおよび試料ステージを開発し,3つの熱電特性を単ーセットアップで測定可能なシステムに組み込んだ.コンスタンタンを参照試料として,室温において測定システムの有効性評価を行った.次に,ニッケル,ジルコニア,標準試料SRM 3452 (BドープSi80Ge20)および酸化物熱電材料(LiドープNiO)の試料について,室温から820~1173 Kの高温まで評価した.その結果,高い繰返し再現性と,参照値に対して概ね良好な一致を示した.