熱物性
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食品への圧力利用
加圧食品の物性
林 力丸
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1991 年 5 巻 4 号 p. 284-290

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抄録

生の食品を水に入れて加熱する代わりに、 数千気圧の静水圧を加えると調理、 加工、 殺菌ができる。 加熱処理では栄養素の破壊、 異臭の発生、 味の低下が起こるが、 室温での加圧処理では物質の破壊や生成は少なく、 天然の風味が保たれる。 すなわち、 加圧処理法は現在の食品産業が求める非加熱処理として有効な手段である。 すでに、 加熱工程を加圧工程で置き換えた加圧食品が一部市販されるようになっている。 ここでは、 食品の加圧処理法の原理や特徴を述べ、 加圧食品の物性を中心に研究と開発の現状を概観する。

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© 日本熱物性学会
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