レーザフラッシュ法において試料裏面温度変化を非接触の放射測温により測定する場合、 試料から出射される熱放射はプランクの放射則に従い試料温度に対して非線形に増加する。 放射計出力の非線形性による熱拡散率算出誤差は測定温度が低いほど大きく、 293Kの試料がレーザパルス加熱により10K温度上昇した場合、 実効波長4μmの赤外放射計 (InSb検出器使用) による観測では約6%過小な熱拡散率が得られる。 室温から700K付近までの測定では温度目盛のついた放射温度計の使用により初めて熱拡散率の精密測定が可能となる。