熱物性
Online ISSN : 1881-414X
Print ISSN : 0913-946X
ISSN-L : 0913-946X
自然対流が流体で飽和した多孔質体の熱伝導率測定に及ぼす影響
1. 非定常線熱源法による熱伝導率測定に関する理論的検討
木村 繁男
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 7 巻 4 号 p. 234-238

詳細
抄録
多孔質体の熱伝導率測定のための熱源としてニードルプローブを用いた場合に対流が測定結果に及ぼす影響について数値的に検討した。 ニードルプローブの細長比は48, 96, 240および490の4つの値について、 プローブの半径に基づくレイリー数は0.01から10の範囲でそれぞれ変化させた。 その結果、 測定時間が長くなるかまたは細長比が小さくなると対流の影響が顕著になることがわかった。 例えばレイリー数が0.01であれば無次元時間が100であっても測定結果に与える影響は細長比の値にかかわらずほとんど無いが、 レイリー数が1の場合は無次元時間が60で10%以下の誤差で測定可能なのは細長比が490の場合のみで、 それより短いプローブの場合は測定誤差が10%を超える。 また、 プローブの細長比と多孔質体のレイリー数が与えられたときに対流による測定誤差が10%を越えない最大可能な測定時間を決定する式を提案した。
著者関連情報
© 日本熱物性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top