抄録
傾斜機能材料は、 熱物性、 機械物性等が内部で分布し、 場所によって異なった値を示す。 このように巨視的に不均質的な材料の全体としての物性値または特性値をどのように考えるかが問われている。 また、 このような不均質材料の熱伝導率をレーザフラッシュ法に代表される非定常法で測定するようになつてきている。 本解説は、 これらの問題に対応するための基礎的資料を提供するものである。 すなわち、 傾斜機能材料の非定常温度応答の解析解を示し、 材料全体としての熱伝導率や熱拡散率をどのように評価すべきかを論じている。 また、 レーザフラッシュ法によって内部の熱拡散率分布を推定する方法の糸口を示している。