東北家畜臨床研究会報
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牛の運動器疾患に対するスコッチキャストの応用
原 茂雄藤井 義雄菅野 弘村松 栄一山本 賢一川崎 忠二
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1983 年 1983 巻 6 号 p. 44-48

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抄録
キャストの装着は容易で,10~15分で硬化し,約30分後には負重にも耐えた。また有窓の作成も容易で,作成によりキャストの強度が減弱することはなかった。さらに全例ともキャストを除去するまで交換する必要も認められなかった。キャストの装着によっては起臥に支障をきたす場合は早目(10日目)に,さらに腱縫合例に対しては93日目でキャストを除去した。除去後2,3日間は若干跛行を認めたが次第に回復し,その後の経過も良好であった。なお,キャストを装着したままでもX線の透過性は良好で診断に支障となることは認められなかった。
以上の如く,牛の運動器疾患5例に対してスコッチキャストを応用した結果,観血的および非観血的骨折整復,腱縫合後の固定包帯として装着も容易であり有効性が認められた。
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© 日本家畜臨床学会
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